人材業界にいた身としては、第二新卒の転職でエージェントを使うメリットは非常に大きいと感じていました。
ですが、僕はネット上には転職エージェントの選び方についてまだまだ本質的な情報が足りないと思っています。
A君に最適な転職エージェントでもB君にはおすすめできないこともあるのが転職エージェントの本当のところ。
なのにネット上では「1番おすすめはここ」という紹介が多くをしめているのが現状。本来、最適なエージェントは人それぞれ違うはずなのに。
さらに、第二新卒での転職は一般的な中途採用とは少し事情が異なるため、一般的な転職情報だけでは足りない部分がある。
ここでは第二新卒が転職エージェントを選ぶ際の考え方を説明します。
内容を理解することで自分に最適な転職エージェントを選ぶことができるはず。転職を考えている入社1年目〜3年目の方は参考にしてください。
第二新卒が転職エージェントを使うメリット
まず、転職エージェントのメリットの確認から。メリットは大きく2点。
- 第二新卒特有の問題が解決できる
- 非公開求人にはステップアップにつながるものがある
以下で一つずつ説明します。
⒈第二新卒特有の問題が解決できる
転職エージェントを活用すれば第二新卒転職の難しい部分がクリアできます。
第二新卒の難しい部分とは勤続年数が短いことにより生じる以下のような問題です。
- 退職理由の説明ができない
- 実績がなく職務履歴が書けない
- 志望動機が作れない
プロの転職エージェントの退職理由や志望動機の膨らませ方、実績がない場合の職務経歴の説明方法などのノウハウはかなり磨かれたものがあります。
第二新卒の転職では「なぜ、新卒入社後から数年で辞めるのか?」「すぐに辞める人ではないのか?」という疑問に説得力のある回答ができなければいけません。
たくさんの失敗ケース・成功ケースを知っている転職エージェントの経験を頼り、面接官に見せる前に客観的な視点で判定してもらうと間違いなくクオリティが高まります。
2.未公開求人にはステップアップできるものもある
転職エージェントでは、普通の求人サイトなどの転職市場に出回っていない未公開求人を紹介してもらえます。自分だけでは出会えない求人情報を知ることができ、選択肢が増やせるのは大きなメリットです。
さらに大切なポイントは、大手企業の第二新卒採用は転職エージェント経由の未公開求人として募集されることが多いということ。エージェントは転職市場にでている求人より良い求人を抱えていることが多いのです。
普通の中途採用と違って第二新卒の転職者に対して企業側も明確な実績を求めていないということもあり、ポテンシャルを伝えきれればOK。
ある程度の年齢になって転職を考えるより第二新卒時点の方が可能性があるという捉え方もできますね。
転職エージェント選びの基本戦略
複数のエージェントを比較する
転職エージェントは人によって能力差があり、腕の良い人と悪い人では結果が大きく異なります。
自分という商品を企業に売り込むときに、敏腕営業マンにサポートしてもらうか、微妙な営業マンにサポートしてもらうかでは結果が違うことは誰もが想像できるはず。
「人間的な相性」も相談しやすさに関わってくるので、一人の転職エージェントだけをみて「転職エージェントはこういうもの」と判断するのは危険。
数人を比較しないと違いがわからないので、複数のエージェントを比較して信頼できるエージェントをメインにするのが合理的な方法といえます。
これは色々な転職本でもいわれていることですけどね。ここは労を惜しまない方がいいところ。
きちんと対応してくれる転職エージェントを見抜く
自分をしっかり扱ってくれる可能性が高いのはどこかを考えるのも大切です。
では、どうしたらそれがわかるのか?
意識すべきは、転職希望者は転職エージェントにとって商品でもあるということです。これは転職エージェントというビジネスが、転職が決まった人の年収30%程度を成果報酬として企業から受け取るものであることを考えれば腑に落ちるはず。
そして、このときに転職エージェントにとっての「良い商品」となるのは、より高い年収で転職できる経歴・スキルのある人材です。
自分と比較して高スペックの転職希望者が集まる転職エージェントに相談しても、エージェント側からすると優先度が低い人材として扱われるおそれがある。
転職を上手く進めるには自分に力を割いてくれるエージェントをパートナーにすべき。
自分の経歴からお互いにWIN-WINになれるエージェントを探すようにしましょう。
どんな転職を目指すかで選ぶ
狙う転職先に応じて選ぶべき転職エージェントは違います。
大手を狙うなら大手の求人情報をもつエージェントからあたることが大切ですし、外資を狙うのであれば外資系の求人を扱う転職エージェントに行かないといけません。
「当たり前じゃん」と思うような話ですが、それほど考えないで転職エージェントを活用している人は多い。
たとえば「第二新卒専門の転職エージェント」。「第二新卒専門」といわれると第二新卒ならみんなここを使うべきイメージを持ちますね。
ですが、実は大手の求人に限っていえば第二新卒専門よりも、一般的な総合転職エージェントの方が良い未公開求人を持っていることが多いのです。
質の高い求人は質の高い転職希望者をターゲットにした場所に多く集まります。
「第二新卒者だけ」と「総合転職(第二新卒者も扱う)」だと後者の方に質が高い求人情報が集まるのは必然。
第二新卒専門型には第二新卒特有の難しさを解決する引き出しの多さに期待ができますが、キャリアアップを狙う場合、総合転職エージェントをメインに活動する方が上手くいく可能性が高いのです。
目的に応じてどの転職エージェントを中心に利用するべきかを考えましょう。
エージェントの分類とおすすめ
選び方のポイントだけでは困る人のために、転職エージェントを分類して、スペック・目的ごとにおすすめを紹介。
理想は、1〜3つの特徴の違ったところを組み合わせること。参考にどうぞ。
全員が1社は使うべき大手総合転職エージェント
情報量が多く、信頼性の高い大手は1社使うべきですが、1社だけでいいです。
正直、大手はそれほどサービス構造自体に違いがありません。エージェントの質も大差なく優秀な人もそうでない人もいます。保有している求人も7割程度は被っています。
いくつかの中で僕がまず2つ選ぶならマイナビエージェントとリクナビエージェント。
マイナビエージェント
元々20台前半の採用に強くて新卒用の「マイナビ」では業界トップ。その流れから第二新卒の転職にも強みを発揮しています。ここにしかない大手の未公開求人もある。新卒採用で成功した企業は第二新卒もマイナビ使うからね。
求人情報を多く抱えていて、エージェントの対応も良いと評判。
リクルートエージェント
大手に求めるのは情報量の多さなので、やっぱり中途採用NO1のリクナビエージェントは候補にはいる。 そもそものエージェント数が多いので当然ですが、優秀なエージェントがたくさん。そんな人に担当してもらえればラッキーという感じ。
高スペックだと対応がガラッと変わるという情報もあり。
ただ、マイナビとリクナビではエージェントが担当する転職希望者の数が違うといわれています。僕が同業から聞いた話ではマイナビ150人、リクナビ300人くらいだそう。
担当数が増えると一人一人に対して避ける時間は少なくなります。そのためマイナビの方がいい対応を受けられる確率が高いといえる。周囲で利用した人の評判もいい。
でも結局はどんな人が担当になるか次第なんですよ。まず、マイナビいって微妙な担当ならリクナビに代えるといった使い方が無駄がないかと思います。
経歴・学歴に自信あり向け
JAC Recruitment(ジェイエイシー リクルートメント)
元々外国で創業された会社であるため外資・大手の求人に強い転職エージェント。30代以上のハイキャリア層も使うエージェントですが、最近は第二新卒などの若年層にも力を入れています。若年層もハイキャリア向け。
大手人材紹介企業は、ほぼ全て企業担当と転職希望者担当が分かれる分業制です。
ですが、ここは一人のエージェントが企業・転職希望者を両方担当します。転職者は実際に企業担当と直接話している事情に詳しいエージェントに相談できる。
この規模の人材紹介会社では非常に珍しい形態で転職希望者にメリットが大きい。
経歴・学歴が並程度向け
特筆すべき経歴もないけど悪くもないという人は情報収集と選考突破確率を上げることが大切。正直、大きなキャリアアップ転職は難しいので地道に穴場を探すか、自分に最適な会社を探す方針が無難です。
おすすめは2つ。
マイナビジョブ20'S
マイナビエージェントの第二新卒転職専門版です。特化型であるため、第二新卒だということで他の転職者と比較して優先度が低いと思われる心配がありません。
若年層に強いマイナビグループのネットワークがあるため、求人数・第二新卒の成功失敗ケースの情報も豊富。エージェントの対応も評判が良いのが特徴。
アイデムスマートエージェント
アイデムは中小企業に強みを持っている転職エージェント。アイデムだけが独占している優良中小の未公開求人もあるため、穴場企業を探すのに向いています。
誰もが知っている大手企業、高学歴、わかりやすい資格(TOIEC800点など)がないなら、上記のような特徴のあるエージェントを活かして工夫しましょう。
経歴に自信がない人向け
新卒入社の会社をすぐ辞めてしまった人、経歴・学歴に自信がない人はとにかくサポートが徹底しているところを選びましょう。
第二新卒ナビ
第二新卒・既卒・フリーターなどを専門に支援しています。書類通過87%の徹底添削、回数無制限の面談対策などがあるため、少し経歴が不利でもどうにかしてくれる。
転職エージェント自身が第二新卒での転職経験がある人が多く相談しやすい。
いい就職.com
第二新卒・既卒向けのエージェント。内定者の離職率が高い企業を排除する仕組みがあるため、紹介求人にブラック企業が少ないのが良い。求人数も豊富で幅広い職種もあるため選択肢を幅広く検討できる。
仕事の経験さえ積めばあとは実力で上がっていけるのが社会人です。まずは、伸びそうな業界に潜り込んで実務を覚えるという意識で挑むといいと思います。
*注意
同じ企業に別のエージェントから重複して応募しないようにだけは気を付けましょう。企業担当者は何度も応募がくると不信に思われますから。
まとめ
最近はかなり第二新卒のニーズが増えてきてチャンスが多い状況です。
まだ決心が決まっていなくてもどんな転職候補があるのかなどの話を聞いたり、相談すると自分にどんな可能性があるか知れて面白いと思います。