photo credit: Stéfan via photopin cc
僕はめちゃくちゃ漫画が好きで疲れが溜まったときは、漫画喫茶で漫画を読みまくるのが一番のストレス発散です。
根暗なので飲みにいくのとかはストレス発散にならないんです…。
最近の漫画は綿密な取材に基づいた書かれたものが多く、面白い上に知的好奇心を満たせる作品が増えてきたと感じます。
そして、「エンゼルバンク」もそんな作品の一つ。
転職業界を舞台に主人公たちが「日本支配計画」を目指す物語。
転職エンターテインメントといえる異色の漫画です。
作者は東大受験漫画「ドラゴン桜」の三田紀房先生。「ドラゴン桜」の外伝なのでドラゴン桜に登場したキャラクターたちもたくさん登場します。
面白い上に転職の舞台裏を知ることができる一石二鳥的な作品。
とくに安易な転職に警鐘を鳴らすようなシーンが多いのでこれから転職しようか迷っている人に非常にためになる漫画でもあります。
主役は仕事に飽きた女性教師
引用:エンゼルバンク1巻
主役はドラゴン桜でも登場した龍山高校の英語教師「井野真々子」。
32歳にして仕事に飽きはじめて転職を考えだす。転職についてドラゴン桜の名物弁護士桜木に相談する中で転職代理人の海老沢康夫を紹介され、転職代理人として海老沢の元で働くことになる。
社内ニートの天才転職代理人
引用:エンゼルバンク1巻
井野が転職を考える中で出会ったカリスマ転職エージェント。
若い頃から投資を行い莫大な富を築いたため、サラリーマンでありながら会社内で自由を勝ち取っている変人。転職エージェント業を通して日本を支配しようと目録む「日本支配計画」の首謀者でもある。
頭脳明晰だけどズケズケ物をいう嫌味な性格。ドラゴン桜の「桜木」に似て物事の裏側をみとおす天才肌なキャラクターです。
日本支配計画とは?
引用:エンゼルバンク1巻
日本支配計画とは海老沢を中心にして動く怪しいプロジェクト。
海老沢は、社会全体のほんの一部である転職市場を抑えることができれば日本全体を動かす力を持てると仮説を立てています。
転職エージェント業を大きくして人材供給のプラットフォームを抑えることで、どの業界にどんな人材を送るかのコントロール権を握るのだ!という感じ。
色んなタイプの転職者たち
作中には色々なタイプの転職者たちが登場。
周囲のレベルの低さに嫌気がさした東大卒のエリート
引用:エンゼルバンク5巻
会社の同僚たちが自分の意見に耳を傾けないことが理解できず不満を持っている。
自分の力を発揮できる環境を希望。
一般職の扱いに不満をもつ女性
引用:エンゼルバンク2巻
仕事に自信はあるのだが一般職であるため正当な評価を受けていないと感じている。
総合職への転職を希望。
なんとなく転職を考えた若者
引用:エンゼルバンク1巻
なんとなく今の会社が嫌でなんとなく転職を考えている若者。
他にいい条件の会社があればいいな〜と思って転職を希望している。
資格をたくさんとる女性
引用:エンゼルバンク5巻
色々な資格を所持している女性。資格を活かせる職に就きたいと考えている。
などなど。
井野が担当する転職者は現実にもよくいるであろう人物像が多く、かれらの転職活動からは、現実でも非常に役に立つ知見を得ることができます。
作中では甘い考えの転職には厳しい言葉が放たれることも多いため、自分の転職を見直すきっかけにもなるでしょう。
胸に刺さる印象的な言葉の数々
ドラゴン桜には「バカとブスほど東大へ行け」という言葉あったように、三田先生の漫画には、一面の真理を表す切れ味するどい言葉があるのが特徴。
エンゼルバンクでの印象的な言葉をいくつか紹介。
人の価値も相場が決める
引用:エンゼルバンク1巻
全ての価値は相場が決める。「人の価値」すら需要と供給によって決まるため、自分の相場がどれくらいかを把握しないと転職は失敗する。
30過ぎたら利息で暮らせ
引用:エンゼルバンク1巻
30歳を過ぎたらそれまでの元本を基にした利息を活かすことが大切。
つまり、安易な転職はマイナスになることがほとんどで転職しないことが最も効率的だということを言っています。
世の中で本当に大切なルールは明文化されていない
引用:エンゼルバンク3巻
世の中で大切なことは明文化されてなく、社会人にも非常識な人は驚くほど多い。
そのため、明文化されていないルールを把握して行動すると「ほんの些細なこと」で周囲から抜きん出ることができる。
正しく逆の発想をするべき
引用:エンゼルバンク5巻
「成功」の反対は「失敗」ではなくて「何もしないこと」。
正しく逆の発想をすることは難しく、世の中の多くの人ができていない。正しく逆に発想できれば情報を基にチャンスを掴みやすくなる。
知らないときが一番のチャンス
引用:エンゼルバンク6巻
知らないことは素晴らしいことで最もチャンスがある状態。
知っていると思うと勉強意欲を保つことは難しく、新しいものを生み出すことができなくなる。無知を恐れず挑戦するものだけが成功する。
まとめ
転職代理人の世界が舞台ですが、社会の仕組みについて考えさせられます。
14巻で完結なので転職活動の息抜きに読むにもちょうどいい長さ。
転職を検討中なら一読の価値あり!
エンゼルバンク ドラゴン桜外伝 全14巻 完結セット (モーニングKC)
- 作者: 三田紀房
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/15
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