転職前に企業の中身が全部見えたらいいのにと思ったことはありませんか?
転職の成功・失敗は全て事前の情報収集にかかっているにも関わらず、きちんとできている人は少ないという印象があります。
僕は求人業界にいたこともあり、企業に関する情報を集めるのは得意ワザ。
自分自身の2回の転職はイメージ通りの転職に成功しています。
今回は経験から転職における情報収集のコツをまとめます。
転職の情報収集で大切なこと
複数の情報源を持つ
情報収集のとき重要なのは「複数の情報源を参考にする」ことです。理由は、物事は視点を変えると印象が大きく変わることがあるから。
本当は円柱でも正面から見ると四角に見るように、どんなモノも一方向からの情報だけでは真の姿はわかりにくいものなのです。
企業に関しても同様で、複数の情報源を元に対象を多角的に分析することで本当の姿を捉えることができます。
逆にいうと多角的にみないと本当の姿はわからない。
とくに転職サイトに掲載している情報は「採用目的」の情報です。
人が集まるように見栄え良く工夫するのは当然で、僕自身も求人広告の仕事をしているときは求人情報が少しでも良くみえるように作っていました。
加工された一つの情報だけを頼りに判断するから「イメージと違う!」という"転職に失敗した状態"が起こります。
企業の実像を捉えて失敗を防ぐためには、複数の情報から多角的に企業を分析することが非常に大事なことなのです。
転職サイト以外からも情報を集める
複数の情報源を参照するときには「転職サイト以外からの情報をどう集めるか?」が大切になります。
実際に自分の転職活動では、転職サイトの情報は優先度がかなり低めです。
まず、あらゆる情報から良い会社を探す→その会社が求人を出しているか調べるという順番で会社を探していました。求人掲載がある企業の中だけで転職先を考えていないのです。
2回目の転職では、その企業が求人募集を行っているかはまったく調べずに企業のHPから申し込みを行いました。※それまでHPからの申込みはなかったらしく珍しがられた。
表にでている情報が全てだと考えると視野が狭くなりがちです。
転職サイトへの情報掲載はお金がかかるため、中小企業やベンチャーなどは人を欲しいと思いながら求人募集を後回しにしていたりします。
今は高齢社会の進展でどこの会社も慢性的に若手不足なので、20代であれば募集の有無に関係なく働いてみたい会社に直接コンタクトをとるのもおすすめです。
大きな会社でなければ、実際に会ってくれるところは多いですし、行動力を評価してもらえれば正規ルートだと難しい業種での採用可能性も生まれてきます。
情報源とその見方
下記では誰でも使える代表的な情報源と上手な活用方法をまとめます。
有価証券報告書
候補の企業が上場している会社なら有価証券報告書はチェックしましょう。
有価証券報告書を見れば平均年齢・平均給与・平均の勤続年数など働く上で重要になる指標を確認することができます。
転職サイトには「アットホームな雰囲気の会社です。」と掲載されていながら、平均勤続年数めちゃくちゃ短いとか普通にありますからね。
有価証券報告書は会社の業績を説明する資料であるため、会社の現在の業績と事業の成長性・リスクもわかります。
今後伸びる会社なら役職の数も増えていき、キャリアを積みやすいと考えられますが、もう頭打ちなら上がつかえていて個人のチャンスは少なくなりますね。
また、業績と将来的なリスクがわかれば沈みゆく泥船のような会社に乗り込んでしまうこともありません。
転職サイトに掲載されている情報は、社員候補へ向けて発信される情報ですが、有価証券報告書は投資家に向けて発信されており、ぜんぜん違った角度の会社情報です。
転職サイトでは知り得ない事情なども知ることができるため、上場企業への転職なら必ずチェックするべき項目だといえます。
企業の口コミサイト
元社員が書き込むことができる口コミサイトは、社内の実情を掴むのに役に立ちます。
社員数が多いような会社であれば多くの書き込みがあるため、かなり正確に社内の雰囲気がわかる。
しかし、使いこなすのであれば忘れてはいけないこともあります。
それは書き込んでいるのは全員が退職者だということ。
誰もが「自分は転職して良かった。決断は間違ってない。」と自分自身に言い聞かすために「転職元は◯◯な点に問題があった。だから転職して正解だった。」という論理を組んでしまいやすい。
女性が元彼のダメな点しか話さない現象と同じような心理状態なのではないかと思っています。
バイアスがかかっていることを認識して使えば、外からは伺い知ることができない貴重な情報を得られる情報源となります。
PC・スマホがあれば簡単に確認できるため、面倒くさがらずに必ず確認するようにしましょう。
転職エージェントをフル活用する
転職エージェントの使い方一つとっても情報量に差がつきます。
エージェントは転職活動の強力なパートナーであることは間違いありませんが、受身の姿勢で支援を受けるだけでは使いこなしているとはいえません。
100%転職エージェントの力を発揮してもらうには工夫が必要なのです。
転職エージェントに任せきりにせずに自分が集めた情報を元に質問をぶつけることができれば転職エージェントはそれ以上の深い回答を返す必要性が生まれます。
転職者に教えられることがないのであれば、エージェントの存在価値はないことになってしまいますから、必死で答えてくれる。
エージェントに「この転職者は自分で調べて考えるタイプ」だという印象を与えられると、手を抜くと見抜かれると感じ緊張感を持って対応してもらえるでしょう。
これが浅い情報で「ふむふむ。」言っていると、簡単な対応で満足してくれるわけですから、それ以上は頑張る意義がなくなってしまう。
転職エージェントから深い情報を引きだすなら、自分も勉強してある程度のディスカッションができる状態になる必要があるのです。
会社は採用したい人物像を示している
会社が欲しい人物像を見抜けると転職活動は楽になります。会社の意思は色々なところに現れているため、そういったサインに敏感になりましょう。
社員紹介で紹介される人
求人サイトの社員紹介で紹介されている社員で会社が求める人物像が掴めます。
そこに登場する社員の経歴がバラバラなら、多種多様なバックグラウンドを持つ人材を求める会社だとわかりますし、20代が大多数の場合はなるべく20代にアピールして採用したいのだと考えられます。
また、社員紹介にでてくる社員は会社で評価の高い社員であることがほとんどです。どんな人が評価されているのかで自分が社風に馴染めるかなども想像できます。
公式HP・IRにあるサイン
とても地味ですが、会社の事業を羅列する順番にサインがでていることもあります。
メインの事業よりも上に、まだまだ売上も小さな新規事業が記載されているのであれば、その事業に役立つ人材が欲しいと考えているのだと読みとれるでしょう。(そうしないとメイン事業より目立たせる意味はないはず。)
また、公式HPの社長挨拶で「グローバルに向かって…」的な言葉が強調されていれば、そこに必要な人材の採用確率は高いとイメージできます。
会社の意思表示をしっかりとキャッチして転職戦略に活かせるようにしましょう。
情報収集に使えるおすすめサイト
個人的に必須の情報サイトを紹介。
キャリコネ
個人的には転職活動に必須の口コミサイトです。
転職活動のときは、気になる企業を見つけたらとりあえずキャリコネで口コミ情報を探して社員の声をチェックしていました。
口コミは全てをそのまま信じてはいけませんが、経験的にも口コミ全体の傾向から読み取れる社風は合っていると感じます。
とくにブラック企業を避けるに非常に役立ちます。ブラック企業の口コミは酷いことになってますからw
社内の風通し・残業の程度・社長のキャラクターなどディープな書き込みもあるので単純に色々な企業の口コミを読むのは面白かったりもします。
情報収集に使える転職エージェント
転職エージェントを"情報収集"という切り口から選ぶなら下記2つは注目。
リクルートエージェント
「業界最大手かい!知ってるわ!」と思うかもしれませんが、やっぱり超大手の情報量は無視できません。リクルートグループ自体があらゆる産業に関わる情報ビジネスを展開しているため、ネットワークも情報量もめちゃくちゃ豊富です。
企業側も転職エージェントに依頼を投げるときに最初に検討するのが業界一位のリクルートエージェントになるので非公開情報も集まっている。
まだ業界を絞りきれておらず、色々な可能性を検討したいという要求に対応できるオールラウンドな転職エージェントといえます。
アイデムスマートエージェント
アイデムは転職エージェントの中でも中小企業に強いのが大きな特徴。
元々は人材紹介業ではなく中小に強い求人広告会社として大きくなったため、そこで築いたネットワークをエージェント業でも活かしています。
中小企業に限っていえばアイデムだけが持つ独占的な未公開情報も豊富であるため、中小企業の中で穴場を探したいと考えるならアイデムへ相談すると理想の企業と出会う可能性を高められます。
正直、大手エージェントの持つ情報は7割方被っているため、大手の転職エージェントばかりを回っても同じような情報しか得られません。
はっきりした特徴がある転職エージェントで独自情報を集めるという工夫も大切です。
情報を制する者が転職を制する
転職活動は情報戦です。
情報を正確に集めて分析し、企業の実情を掴めれば、変な企業に入社して体調を壊したり、キャリア構築に失敗したりすることはなくなります。
転職活動では情報に貪欲になりすぎるくらい情報を求める姿勢が必要であることを肝に命じて転職成功を目指しましょう。