転職するなら、ホワイト企業で働きたい。
求人広告の営業として数々の中小企業の採用をお手伝いした中で、労働環境の良い、ホワイトな優良企業には共通点があると感じていました。
全ての企業にあてはまる訳ではありませんが、少し違う角度から企業を探すヒントになると思います。
「競争していない企業」がホワイト企業
「競争していない」とは、「差別化」できてるということです。経営とかマーケティングの本とかでよく書いてますよね。差別化でブルーオーシャン戦略とか。
差別化とは競合他社に対して自社のポジションを確立するために意味のある違いを打ち出す活動のことをいう。
byコトバンク
サラリーマンだと「差別化」なんて言われても、現実問題、仕事の中でそんなこと考える機会はほとんどない。むしろ、先輩の真似しようとか、浮かずに職場に溶け込もうという風に、差別化とは真逆に考えることのほうが多いし、実際に大事でした。
だから、求人の仕事やる前から言葉は知っていたけど、腹落ちしてなかった。
けど、求人広告の営業をやって、たくさんの中小企業を見て、多くの経営者と話す中で「この会社働きやすそう。」と感じたところは、差別化がなされていました。
隠れた優良企業を探そうと思ったら、その企業に競争相手はいるのか?差別化は?などという視点で探すと、思わぬ企業が見つかるかと思います。
なぜ、競争はいけないのか。
競争するとほとんどの場合、価格競争になります。
競争は参戦した時点で少しずつみんな不幸せになるようになっています。
たとえ勝ったとしてもです。
簡単な図で説明します。腹落ちしていない人のため。
物の価値が需要と供給のバランスで決まることは、感覚的に誰でも分かると思います。
レアなフィギュアは、欲しい人が多いのに、フィギュアの数が限られているから値段が上がりますが、突然、フィギュアが大量生産されたら値段は下がりますよね。
つまり、需要と供給のバランスで価格は決まります。
需要を表すのが、価格が上がる程、需要量が減り、価格が下がる程、需要量が増える需要曲線です。図の左上から右下に伸びる線。基本的に商品が安くなるほど、欲しいという人は増えるし、高くなればなるほど、欲しいという人は減っていくことを表した曲線です。
逆に、供給を表すのが、価格が上がる程、供給が増える供給曲線です。左下から右上に伸びる線。高く売れるのはもっと供給したくなるのが供給側の発想だからです。
需要曲線と供給曲線の交わるところで、価格が決まります。
この場合、需要と供給の釣り合うYに価格は落ち着きます。
しかし、何らかの外部要因で、供給が増加すると、供給曲線が右に移動します。すると、交わる点で価格は決まるため、価格はYだったのがY'に下がってしまいます。そして、競争相手が増えるというのは、供給曲線を右に移動させる外部要因になります。
図でも価格がY'に下がったように、競争相手が増えるたびに、商品の価格は下がります。否が応でも下がります。
価格が下がっても、企業が商品を作るコストは変わらないため、利益が下がる。利益が下がると、働く人の給与や待遇が下がるという流れで、労働環境に悪い影響が波及します。
競争で一番ならいいんじゃない?って思う人もいるかもしれません。
勝ってるいるなら、それはきっと優良企業でしょって。
しかし、もし勝っていたとしても、競争している限り、ずっと削り合いです。競争相手が値下げしたら、負けじと値下げ、そうすると値下げの限界に近づいてきて、最後はマンパワー勝負となり、仕事がハードになるって流れで労働環境は悪化していきます。
大手ではない中小企業だと、このサイクルが周るのはより早い。
僕が働いていた地方求人誌の会社も、3社で値下げ合戦に入りつつありました。一番シェアを取っている会社は、1社で50%以上のシェアを抑えてましたが、働いている人達はそうとうハードそうでした。
市場は、競争するとブラック企業に近づくような仕組みになっています。
差別化した優良企業の具体例
僕が見た企業の例で「差別化」が上手くいっていた具体例を一つ紹介します。
ある自動車整備会社は、元々他の整備会社と同規模の整備工場だったのを、少し拡張してトラックなどの大型車を複数台止められるようにしました。
そしたら、県内のトラックの整備の依頼が集まるようになってきたので、そこからトラックの荷台を作る業務にも進出。近くに他に大型車を複数収容できる工場を持っている会社がないのと、大手が進出して旨みがあるほどの市場規模じゃないということで、敵のいない状態になりました。
その会社は、同業態の企業に比べ、平均の勤続年数がはるかに長いのが特徴でした。待遇面だけでなく、社内の雰囲気も良いということですね。
他には、「業務デジタル化の会社」「建築資材を扱う会社」「人材派遣会社」など、競争しない環境を作れている会社の中には、働きやすそうな会社がいくつもありました。
逆に、競合とバチバチ争っている会社は、大きくても大変そうな会社が多かった。
とはいっても、中小企業なので給与面は大手に見劣りすることが多いですが、定時退社で土日は完全に休み、有給は全て消化、仕事も面白いし、人間関係も良好みたいな会社は、けっこうありました。
求人メディアに掲載していない中小企業は多い
求人募集があっても、求人メディアに掲載していない中小企業は多くあります。
求人メディアへの掲載はコストがかかるため、HP上でだけひっそり募集出していたりすることも多いです。
隠れホワイトは人が辞めにくいため、求人数はさほど多くありませんが、業績が好調で増員を考えつつも、ただ単に先延ばしにしている会社も合ったりします。
優良中小企業探しは、求人サイトや求人誌だけでなく、まず、競合の少なそうな業界に目星をつけたり、珍しい商品を扱っている会社はないか?と探すと、思わぬ穴場と出会える可能性が高まります。
気になる企業を見つけたら、ネットでHPを検索してみたり、問い合わせしてみるといいと思います。
優良中小企業を探す方法
転職エージェントを上手く利用すると、優良中小企業への転職可能性が高まります。
その理由は2点。
- 市場にない求人が豊富にある
- マッチングしてもらえる
⒈市場にない求人が豊富にある
求人サイトが、掲載だけでお金がかかるのに対し、転職エージェントは、人を採用できて初めて費用が発生する成果報酬型です。
企業からみると、求人を依頼する分には費用が発生しないため、ノーリスクで求人紹介の依頼をなげられます。
そのため、転職エージェントには表にでていない求人が集っている。隠れた優良企業が見つかる可能性が最も高い場所なのです。
2.マッチングしてもらえる
転職エージェントでは、自分にあう企業を紹介してもらえます。
転職者をサポートするキャリアコンサルタントは転職のプロ。たくさんの転職例を知っているので、自分では検討できない企業を紹介してもらえることもあったりする。
自分一人で探せる範囲外の企業と出会える可能性があります。
転職エージェントの選び方
転職エージェントは「どこの会社を使うかより、どの担当者にあたるか?」が大切なので、複数のエージェントを使って良い担当者に絞り込むのが基本です。そのためにも、まずは業界NO1のリクルートエージェントを使ってみるのがおすすめです。
リクルートエージェントは担当者のレベルが高いため、良い担当に会える確率が高く、全国の全業種への転職に対応しています。
いきなり専門特化型の転職エージェントに行くと、期待した種類の求人がまったく紹介されないリスク、低レベルのサポートしか受けられないリスクが生じます。
まず、最大手のリクルート・エージェントを使う→「担当が微妙…」なら別の転職エージェントに変えるという手順だと効率よく転職エージェントを選べるということです。
また業界標準のサービスレベルは確実に体感できるので、他の転職エージェントを試すときの比較基準が作れるのもポイント。
経歴が微妙でも求人を紹介してもらえる守備範囲の広さも最大手ならではなのでとりあえず相談という形で使いやすいのもおすすめできる理由です。
転職に一番大事なのはタイミングです。
僕の最初の転職が成功した要因は、転職を考え出してからすぐに、どんな求人があるのかの情報収集を始めたことにあります。
タイミングを掴めるかどうかは運次第ですが、行動することで運を掴める可能性は高まると思っています。
仕事が楽しいと人生が楽しくなります。少しでも転職を考えるなら行動しましょう。
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