「逃げの転職はダメだ」と言われる一方で、逃げ転職肯定派の意見もあります。でも、ダメなのか良いのかは、その人・その状況によりけりですよね。
逃げ転職をすることが危険な人もいれば、すぐに逃げた方がいい人もいる。
一番マズイのは一つの正解があって、それが誰にでも当てはまると思うこと。
どちらかといえば、逃げ転職の否定論者に多いような気がします。「逃げるな根性なし!どこ行っても同じだぞ」というような風なね。これは言っている本人が気持ちよくなれる優越感に浸った発言なので気にしなくていい。
自分の頭で考えましょう。
逃げ転職を否定するってことは、逃げることに何かリスク・デメリットがあるという主張ですよね。ということは、それらのリスクをクリアした転職なら否定する理由はなくなるということになる。
そこで、今回は逃げ転職が否定される理由を再検証して、逃げ転職のリスク回避の方法をまとめます。
逃げ転職が否定される理由
逃げの転職がダメだも言われる理由と、そのロジックのおかしなところを説明します。
理由は主に3つ。
- 転職で問題は解決しない
- 計画性がない転職になる
- 逃げ癖がつく
では、一つずつ検証していきましょう。
1.転職で問題は解決しない
不満の元となる問題を解決しなければ、どこに行こうが同じような問題にぶち当たって同じように不満を持つだろうという理屈です。
企業は問題解決力がある人材が欲しいため、不満を解決せずに転職する人は失敗するということもいわれていますね。
【おかしなところ】
全ての問題は自力で解決できるはずという前提に基づく理屈だなーと思います。
会社には自分の努力で解決できる問題・解決できない問題の両方がある。とくに人間関係・会社の社風との相性の悪さは、自分の努力だけでは解決できません。
それを、「問題解決していないじゃないか、問題解決能力が低い!」と断じるのは乱暴じゃないかと。
まず、転職が問題を解決する方法の一つですからね。これは転職で解決すべき問題だなーと正確に判断できる人は、問題解決能力かなり高いですよ。
自分の努力で解決できるものかどうかの見極めが大切で、解決できない問題が原因ならさっさと逃げるべきです。
2.計画性がない
少しでも早く転職したいという気持ちが強いので、計画性が欠如した転職になり、一貫性の欠けたキャリアとなる・次が決まらず迷走する人が多いという課題があります。
転職を焦るあまりよく考えないで転職先を選んでしまって後悔する人や、空白期間が長くなって弱気になっていくというような話。
【おかしなところ】
逃げ転職でもきちんと計画を立てればこの問題は全部クリアです。
たしかに焦って何の準備もせずに辞めると苦労することは事実。今すぐに逃げ出したいという気持ちをぐっとこらえて、きちんと転職先を決めましょう。
3.逃げ癖がつく
一度、逃げると逃げ癖がつくらしい。精神的に弱くなるという指摘ですね。
【おかしなところ】
根性に自信がある人が気にする部分です。
ただ「自分は根性がある人間だ」というプライドを保つために、冷静な判断を失って心身を壊した人を何人か見てきました。撤退に関する名言を貼っておきます。
・損切りはさっさとやる。見込み違いだったら即撤退、「見切り千両」です
・自分をよく見せようと必死だったりすると、臆病であるがゆえに勇気ある撤退ができない
・単に撤退するのではなく、撤退する目的を持ちたまえ
・撤退は上昇のための準備である。
英断か逃げかは紙一重。「勇気ある撤退」ができるのが本当に根性のある人です。
結論:逃げ転職の否定理由は偏っている
逃げの転職を否定する理由の根拠は、柔軟性のない前提・大げさな問題化・精神論など非常に偏っています。
否定論を丸ごと信じて漠然と不安になるのではなく、自分には転職が必要なのかを自分の頭で考えることが大切です。
リスクを回避する方法
否定論が主張するリスクは、問題が解決しないこと・計画性がなくなること・逃げ癖がつくことです。
しかし、リスクを潰せれば、否定する理由もなくなるってことですもある。そこで、リスクを回避する手段を紹介します。
問題を見極める
上で説明したように解決できる可能性があるものか、そうでないのかの見極めが大事。
考えようによっては何事も解決できそうな気がするので、自分の努力がきちんと反映されるかどうかを基準にするといいです。
たとえば、人間関係だと自分が頑張っても、最終的に改善されるかどうかは相手次第になる。努力が反映されるかどうかは未知数ですよね。
また、会社の仕組みも提案して変わる範囲と変わらない範囲があります。
その一方で仕事量なら断ったり、人に降ったりすることで解決する可能性はある。
自分の努力で改善できる余地があるなら一度チャレンジしてみてもいい。それでダメなら、それから転職を考えればいいだけなので。
キャリアカウンセラーに相談する
転職前にプロのキャリアカウンセラーに相談しましょう。プロのカウンセラーは、色々な転職者を見てきているので、焦る転職希望者への対応も心得ています。
転職市場の動きと合わせて転職のアドバイスをもらうことができます。自分では冷静な判断ができなくなっていても、計画性のある転職ができるようになるはずです。
飯食って、ふて寝する
ご飯を食べて、布団にくるまって寝る。これは深いですよ(笑)
どんな物事も平均へ回帰します。今辛くても、それは長期的に続かずに時間が立てば自然と問題解決するような類のものかもしれません。
行動力があると解決にガンガン動きたくなってしまいますが、30代を目前に「ただ時間が過ぎることを待つ」ことも有効なのだとわかってきました。
慌てず騒がずご飯を腹一杯食べて、布団の中でふて寝する間に嵐が過ぎ去っていることもある。それでも止まないときは、考えるまでもなく動くときです。
まとめ
逃げの転職でも成功できます。
悩みがあって弱気になってくると「ここで転職を考えるのは、逃げているだけなのか?」と決断できなくなってしまいがち。
他の人に相談しても、その人と自分の性格・能力・経験が違うのだから、ドンピシャなアドバイスってないと思います。人の考えに頼りたくなる気持ちはわかりますけどね。
自分で決断してどう転んでも自分の尻拭いは自分でするんだと決められれば、「逃げ」といわれても前に進めますし成長できるはずです。
一般的な意見に惑わされず自分で決める勇気を持ちましょう。ではでは。